症例06

疾患名・解説
症 例
80歳代・女性 急速に進行する呼吸困難

Step3

その後解説を見て、再度画像診断を検討して下さい

診断:急性間質性肺炎/特発性びまん性肺胞障害
(Acute Interstitial Pneumonia/Idiopathic Diffuse Alveolar Damage(AIP/DAD))


画像所見の解説

胸部X線写真

両側広汎にすりガラス影、consolidationが広がり、全体に容積減少。

CT像

中葉には既往感染によると思われる気管支拡張を認める。
両側に広汎にすりガラス影が広がり、内部には網状影が広がり、いわゆるcrazy-paving appearanceを示している。
陰影内部の細気管支は牽引性気管支拡張を示している。
陰影の境界は内に凸であり、同部の著明な収縮傾向が伺える(A)。
本例は気管支鏡翌日に挿管管理となり、約1カ月後には永眠された。
急速な進行および、病初期よりの著明な収縮傾向、構造改変よりAIP/DAD(diffuse alveolar damage;びまん性肺胞障害)が疑われた。

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本症の解説

病理組織像

剖検肺では、多くは器質化期のDAD(A)の像を示していたが、一部浸出期のDAD(B)も見られた。

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全般

AIPはKatzensteinにより提唱された疾患概念であり、上気道症状に続いて急激に呼吸不全に進展する原因不明で予後不良の疾患であり組織像は、多くのARDS同様diffuse alveolar damage (DAD)とされている(1)。
DADは硝子膜形成を示す浸出期にはじまり、増殖期ないし器質化期、そして線維化期と組織像は推移する。
一門らは、病理組織像との対比を通して病理時相が進行するにつれ、CTでの牽引性気管支拡張がより広汎かつ低次の気管支に及ぶことを見出した(2,3)。
また浸出早期にはCT像が正常であることもあり、早期発見が困難な疾患である(2)。
両側下肺野対称性のconsolidationで始まることが多いが(4)、本疾患はさらに1カ月以内に亡くなることが多い超急性型とそれよりはやや緩やかな経過をとり3カ月以内の経過を示す急性型に分かれるようで(5)、下肺野対称性のconsolidationで始まるのもは後者の急性型に多いようである(C)。
一方、超急性型は斑状、まばらに分布する収縮傾向の強いすりガラス影ないしconsolidationで始まり、短期間に全肺に病変が広がる(D)。
本例も超急性型のvariationである。

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